AIの前にRPAを検討する
人工知能を使わなくてもRPAを使うことによって定型業務を自動化することで、作業を効率化することはできます。
RPAは日常作業の手順を自動化するアプリケーションです。
主にWindowsで動作させたり、それをサーバー上で動かすことで毎日同じ時間に人手を介さずに自動で実行するようにもできます。
無償で使うことのできるRPAもありますので、上手に活用すると良いでしょう。
いくつかツールがある中で、無償でも使え、大規模な企業でも使え、必要な時には開発支援をしてくる点でUiPath(ユーアイパス)はおすすめです。
UiPathがおすすめなのは無償ではじめられるから
RPAツールの中でも、UiPath(ユーアイパス)はおすすめです。
RPAツールの比較はここでは行いませんが、UiPathをおすすめする理由は次の通りです。
- 企業であっても無償で使うことができる(制限あり)
- Windows上の動きも、ブラウザからデータを読み取ることも自動化できる
- パソコンを起動しなくても毎日稼働させられる
詳しく紹介しましょう。
企業であっても無償で使うことができる
UiPathの最大の特徴は、無償で使うことができる点にあります。
数多くのRPAツールでも無償提供はありますが、機能が限定されていたり、試用期間が定められているなどの制限があるものが多いです。
UiPathも法人に関しては制限がありますが、試用するには期間の定めがなく自由にテストすることができます。
これらをテーブルにしましたので、ご覧ください。
UiPathが無償で使える条件
企業タイプ | UiPath Studio Community Edition | UiPath Orchestrator Community Edition |
---|---|---|
個人 | 制限なし | 制限なし |
エンタープライズではない法人 | 最大5台まで | 評価とトレーニングの目的でのみ |
エンタープライズ | 評価とトレーニングの目的でのみ | 評価とトレーニングの目的でのみ |
RPAでできること
RPAって結局なんなのかわかりづらいと思いますが、日頃の作業を簡単な操作で自動化することができることが最大の特徴です。
日常業務の中にはエクセルを使って管理するものが多いと思いますし、メールを受信して行う定型業務もあるでしょう。
その点、UiPathはOffice365との親和性も高いですし、操作を定義することができます。
UI操作がビジュアルなのでわかりやすいことや、いつもやっている操作を記憶してくれるので手順をUiPathに教え込ませるのも難しくはないのです。
- 日々集まるデータの集計から資料作成の自動化
- パラメータの設定と実験データの取得を自動化
- ワークフローに沿った業務で画面キャプチャや印刷、ファイルなどを自動化
- 請求書の発行プロセスを自動化した
- 毎日Webサイトを巡回してデータをダウンロードする作業を自動化
などなど、自動化できる作業は少なくないのです。
事前にしっかり検討する
今ある定型業務を自動化したいという要望はあるにしても、ただやみくもに自動化するのではなく、それを機会にその業務自体の改善ができないのかよく考えてみると良いです。
そういう意味では、自動化するか以前に業務の見直しは必須ですね。
以前作られた手順を繰り返すのは簡単ではありますが、ちょっと考え直してみると効率化できることはあるのです。
その上で自動化も取り入れることでさらに効率化することができます。
AIを自社の業務に生かすためには、自社の業務に特化したAIを開発しなければなりません。何でも解決できる万能なAIは存在せず、自社で蓄積されているデータを元に作り上げるところが大変なところです。
人工知能は万能ではない
人工知能のたいへんなところは、用途に合わせて知能を作り上げないといけないところです。
人工知能は自ら勝手に学習してくれるわけではなく、作りたい知能に必要な情報を十分な量だけ与えないといけません。
そうすることによって、自分が欲しい知能を持った人工知能ができあがります。
何でも解決してくれる「自分で考える人工知能」は今のところ存在しません。
将来できるのか?ということは私にはわかりませんが、学者や専門家からそのような人工知能の登場は相当先ではないか?というのが一般的な意見といえます。
自分の会社に役立つ人工知能を作る
最初から何でもできる人工知能はいないということをお話ししました。
人の代わりにある程度正確に、そして人の速度より圧倒的な速さで判断するのが人工知能です。
ところが、人の代わりをさせるためにその判断の方法を教え込むのは、かなりたいへんな作業になります。
何を教え込むのかといえば、判断するための材料を与えどのような条件で判断するのかを教え込むのです。
画像から猫を識別できるようにするなら、大量でいろいろな角度から移っている猫を数千枚、数万枚と学習させる必要があります。
猫の中でもペルシャ猫だけを判別させたいのなら、ペルシャ猫の写真を大量に読み込ませる必要があるのです。
質問に答えるチャットボット
今はチャットボットという、お客様の質問に回答するボット(ロボット)も増えています。
チャットボットは、文字で話したら文字で応答してくれるというすごく賢いシステムではありますが、実はこのチャットボットを作るにはかなり地味な作業が必要です。
それは、「こういう質問にはこういう回答を返す」というパターンをたくさん作って行くことです。
質問に対する回答を作るだけなら、どこが人工知能かと思われるかもしれません。
もし質問と回答が1対1でしか作らないならば、従来の技術でもできるかもしれません。
でも、その方法ではたとえば、「ありますか?」と「ございますか?」は同じ言葉とは判断できませんし、「今日東京に行きたいのです」と「東京に今日行きたいのです」も別の文章として扱われることにもなるのです。
ところが、音声解析の人工知能を使えば、文で解釈するのではなく、その文章で言いたいことを把握することにより、何に対する質問かを大別するので、作るべき回答は大幅に少なくなるのです。