ITのマニュアル作成は、外注作業の成果物に含めると良いです。担当者がツールを使いこなして初めて意味がありますが、導入直後にはうまく使いこなせないことも多いのです。

マニュアルを外注の成果物にする

システムを外注したり、ITツールの導入をした場合は、そのためのマニュアルを必ず作ってもらいましょう。

外注した結果として大事なことは、担当者がそのツールを確実に使って業務ができることです。

そのための手順の習得にあまり時間をかけることができませんから、実際に実施する作業手順をマニュアル化をすることです。

外注先は必ずしも業務に即したマニュアルを作ってくれないため、自社で作らなければならない可能性があります。

その際にも、ちゃんと自社の業務が回るのか、その点の確認が欠かせません。

システムは業務で使えてはじめて意味がある

外注して開発したシステムも外部のツールも、自社に導入する場合にもっとも大事なことは、自社の担当者が使いこなして業務が効率化できることです。

そんなことは当たり前のことなのですが、導入を決める経営者の方やシステム担当の人は現場の実作業まで把握するのは困難ですので、ツールとしては良いけれど実際の業務にはうまくはまらないこともあります。

大会社の情報システムのような大規模なものは、全体最適化したりコスト的な観点も重要になりますが、業務に密接したシステムやツールの場合は、担当の人が使いこなせるか?、そして使いこなして仕事の効率が上がるのか?、といった観点が欠かせません。

システム開発やツールの導入に際しては、ポイントポイントで担当者の意見を聞く、そういう姿勢が欠かせません。

導入したからすぐに使えるわけじゃない

外部にシステム開発を依頼したり外部ツールの導入をする場合、外部の担当者は御社の現場のことなどよくわかっていません。

あくまでも「一般的な」使われ方を想定して開発していますので、現場がどのように使うのかということをわかっているわけではないのです。

実際に使う人のスキルレベルもそのツールを使いこなすのに十分かという問題もあります。

システムを開発したりツールを導入すれば、すぐに使いこなして簡単に効率が上がるだろうと導入を決めた人たちは思うのですが、実際にはそんなに簡単ではありません。

担当者が習熟するのに時間が必要ですし、狙った日付の通りに使うシステムを切り替えようと思っても、業務が回らなかったり、当初はかえって手間がかかるなどの一時的なデメリットもあるのです。

マニュアルを整備する

新しいシステムやツールの使いこなしのためには、マニュアルの整備が欠かせません。

外部のツールを利用する場合、多くの場合マニュアルは整備されています。

しかし、そのマニュアルはそのツールを使うための全方位的なマニュアルであって、利用する担当者が短時間で使い方を理解するマニュアルにはなっていません。

新しいシステムを作ったときには、マニュアルすら整備されないこともあるのです。

マニュアルを作る代わりに、作った人やツールのセールスパーソンが来て説明するということはよくあることですが、一回きりの説明で理解できるような簡単なものではありません。

特にそのツールを利用する実際の担当者にとって、ツールの使い方を理解できなければ、自分の仕事ができないことになりますから切実です。

そのためにも、その業務に合ったマニュアルを作った方が良いです。

機能的な理解をするためのマニュアルに加えて、その業務に特化した使い方のマニュアルですね。

これをツールの開発者やセールスパーソンと一緒になって作り上げることが大事です。

検収は使えることがわかってから実施する

システム開発をしたり、ツールの導入をした場合の検収は、実際の担当者が使えることをわかってから行うとより安全です。

とはいえ、納品されてから検収までの期間というのは通常それほど長くありませんね?

ものによると思いますけれど、納品から研修までの期間はせいぜい1週間程度のものが多いのではないでしょうか?

そうすると、納品のタイミングが来る前に、実際の担当者に使ってもらって慣れてもらうことが必要です。

そしてわからないところは開発元に聞いたり、説明書を作ってくれるように依頼することが必要です。

何しろ、検収を行ってしまったら後戻りはできません。

担当者が使えることを持って検収する、そういう意識で臨むとあとでの混乱が減らせるのです。

そういった点では、マニュアルを整備するのも委託業務の中に含めてしまって、担当者へのマニュアル提供と教育も成果物にしておいて、それらが終わってはじめて検収するような契約にしておくと良いのです。