IT活用の効果は、会社が目指すゴールから考える必要があります。単なる効率化ということではなく、効率化した作業により生まれた時間をどのように使うのか戦略を持って決めることです。

IT化の前にゴール設定が大事

IT化といっても、やれることは多様にあります。

自社のホームページを作ることもそうですし、日々やっているルーティーン作業を自動化して省力化することもそうです。

高価なツールを導入しなくても、エクセルのマクロを使ったり、無料の自動化ツールを活用することで自動化できることもあります。

文書のフォーマットの様式を直すことで簡単にできることだってあるのです。

社長さんや社員さんが本来やらなくても良い作業があれば、そういった無駄な作業を省き、本来やるべき作業に集中するということなのです。

大事なことは、ゴールは何かを見極め、それを実現するために必要な工数やスキルを確保していくことなのです。

目指すゴールを見極める

IT化で何を実現したいかの前に、会社として目指すゴールを再確認しましょう。

社長さんであれば、それはわかりきっていることだと思いますが、今一度考えてみていただきたいのです。

ITを活用するにも、局所的な対策では本来の狙いを実現できない恐れがあります。

会社のゴールを実現するためにITを効率化のツールとして利用することです。

そのためにも、会社が向かう方向を明らかにしましょう。

改善のポイントを絞り込む

会社のゴールが売上拡大だとします。

しかし、現状の集客からいえば急に注文が増えるわけではないと考えられ、ホームページから集客したいとします。

ホームページは立ち上がっている、だけどそこからお客さんが来てくれるわけじゃない、そうだとするとどこが問題でしょうか?

特に中小企業さんの場合、ホームページはあっても発信している情報が足りないことが多いです。

会社が販売している商品やサービスのことを使われるシーンやお客さんの反応などを伝えると製品の良さが伝わることが多いです。

ところが、そのための社員を当てられない、記事を書いたり更新するスキルを持った人がいない、などが課題となって対応できない場合も多いです。

集客がゴールとすれば、ホームページにどのような情報を発信するか整理していくとともに、担当できる人の業務を減らし、ホームページ更新のスキルを教育し、実際に発信するための記事を作成する時間を確保しないといけないのです。

というような改善ポイントが見えてきます。

改善ポイントに従い業務を見直す

社員の時間を作り、ホームページの記事発信に当てる時間とスキルを身につけることを第1段階として実施することが決まれば、どうやってそれを実現するかを具体的に考えていきます。

まずは現状の業務の中から簡略化できる仕事はないか、自動化して省力化できる仕事はないか、そういう観点で見ていきます。

そのためには、新たに独自のシステムが必要になるかもしれません。

そのシステムは、クラウドなどを利用したサービスで解決できないか、比較検討することが必要です。

もしクラウドなどの汎用サービスでは解決できないとなれば、独自のシステムを開発することになります。

こうやって、具体的にどうやって解決するのかを方法を絞り込んでいきます。

改善方法を決めることに時間をかける

業務を効率化するための解決方法は、いくつかあってもそのどれを選ぶかは多くの場合一長一短があって、「これだ」とビシッと決まるものはなかなかないのが現実でしょう。

最初はお手軽な方法を試してみることになるでしょうが、その前にある程度は手法の比較検討をすることが大事です。

というのも、とりあえずやっているのはそれなりに負担もあるからです。

比較検討するにも手間はかかってしまいますが、少し手間をかけてでもよりよい方法を比較しておくことによって、より早くゴールに向かうことができます。

短期間でどんどん改善できるものについては拙速が良いことも多いのですが、こういう施策を導入するには長期的に考えないといけませんので、急がば回れという姿勢が必要です。

外注を活用することでスピードアップする

ITスキルは多岐に渡りますので、自社や知っている人に頼むということより、その道のスペシャリストを探してくるのが結果的には早くなります。

餅は餅屋にといいますが、ひとつのスキルを学ぶことはとても時間がかかります。

スペシャリストを探してその人に頼み、その人からエッセンスを学ぶというのが得策です。

それはその人の知識を得て、自分でやれるようになるという意味ではありません。

その人と同じスキルを持つことはできませんし、その必要は全くないのですが、効率よくその分野の知識を溜めることができるのです。

そういう経験によって、知見を広げていけますし、さらにその人の知見を別のところでも活用できるようになり、その人とも良い関係を築くことができます。

そうやって社外に頼れる人を増やしていく、それが会社を強くすることにつながります。