社内に知見がなければ人材は育てられない
現代はITサービスが高度化し、その活用ができるかどうかで企業の効率や生産性に大きく差が出る時代になりました。
たとえば、集客においてWebやSNSでの発信やECサイト(ネットショップ)を作れば、たとえ寝ていても集客ができるようになります。
あるいは人工知能を使えば、人間の能力をはるかに上回るスピードや正確さで判断を支援できるようになっています。
とはいえ、ITを活用するための人材が不足しているのは、特に中小・零細企業では深刻な課題となりつつあります。
ECサイトを作っても集客できなかったり、方向性の定まらないSNSに発信をしても徒労に終わることも多いのです。
それなら外注すればいいといっても、どこにどう頼めばいいのか手がかりがありません。
そしてゆくゆくはそれを理解する人材を社内に育てる必要もありますが、そういう知見を持たない中で人材は育ちようもないのが現状です。
ITの範囲は広い
どんなスキルも簡単に身につけることなどできませんが、ITスキルはその中でも難しいスキルと言えます。
ITと一口にいっても範囲がとても広いのです。
自社内の効率化をエクセルひとつで改善できる場合でも、それを社内でやっていくためにはエクセルをそれなりに使える人を育てないといけません。
Webサイトを作るのだってそうです。ブログを1つ作るのだって、サーバーを契約し、どんなブログサービスを使うか選定し、自社のドメイン(会社独自のインターネットアドレス)を割り当てることが必要になります。
あるサービスを自社に導入しようと思って比較するのであれば、それぞれのサービスを比較して自社にとって有力な1つを選びたいものです。
そのためには、各サービスの機能を詳細まで理解する必要があります。
説明書を読み込んだり、試用版を使ってテストするなどが欠かせません。
1つのサービスを使いこなすには相応の時間が必要ですが、それを短時間に必要なところに限って調べていくことが求められます。
また、ある開発を外注化するとしたら、どんなシステムをどう作りたいのかを外注先に伝える必要があります。
正しく伝えないと期待とは違ったものができあがってくる恐れがあります。
違ったものができれば、直すのに時間がかかりますし、お金だってさらにかかる可能性があります。
作りたいものをしっかりと作るためには、外注との窓口となる人が内容を理解してしっかり指示していく必要があるのです。
これもとても大事なITスキル(外注マネジメント)なのです。
こういうことを一つ一つできるようになるには相応の時間の積み重ねが必要なのです。
ITを教えるのは簡単ではない
このようにITといっても範囲が広いために、身につけることが簡単ではありません。
一つ一つを自力でマスターするにはとても時間がかかってしまうのです。
時間がかかって本当に必要なものを身につけることができればいいですが、エッセンスを身につけられない可能性があります。
たとえば商品を売る営業の方が、一人で営業をして売れる営業マンになるには時間がかかると思います。
反対に会社の先輩から売るコツを教えられたら、割と簡単にある一定レベルに行くことができます。
ITにおいても同じなのです。
人に教えてもらい、エッセンスをつかんだ上で実践していくと技術の獲得が速くなり深みも深くなるのです。
複数の人が同じ技術の獲得をするのであれば、補い合ったり理解を共有して成長を早めることができますが、一人でやっていくとそういうわけにはいかないのです。
その点で、一人の人にスキルの習得を任せるとどうしても時間がかかってしまうのです。
一人で頑張るというのは、モチベーションも続かず理解の深みも深められないということになるのです。
外部のコンサルタントと一緒にやる
そこで重要になってくるのが、スキルを学べる相手を作ることです。
有力なひとつの方法が、外注に仕事を頼みながらその技術をマスターしていく方法です。
本来外注は教えるという仕事を受け持たないのですが、教えてもらうということも業務に入れてもらうのです。
外注の仕事の一部を自社も担当しながらやっていくということです。
外注だからといって丸投げにせず、窓口の担当者がしっかりとその技術を少しずつ獲得していくのです。
最初からすべてはできませんが、「学ぶ」意識を自社の社員に持ってもらいながらやっていくのです。
そうすることにより少しずつできるようになります。
外部のコンサルタントと一緒にやることでそのスキルを効率よく高めるのです。