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ITエンジニアの活躍の場はなくならない
AIがプログラムも書けるようになってきて、ITエンジニアの未来は大丈夫か不安になる人もいるかもしれません。
でも大丈夫!僕は今後もITエンジニアの未来は明るいと断言します。
ITエンジニアの仕事はプログラムを書くことだけではありません。
顧客から要求を正しく引き出し、それを文書化しどういう技術で実現するのが良いか判断して、実行していくことが欠かせません。
確かに、AIは簡単なプログラムであれば精度が高くバグの少ないコードを書いてくれますし、プログラミング初心者の教師として使えるとの話もあるので、上手に使えば省力化につながることは間違いありません。
AIの力を借りながら、より短時間で作業していく、あるいは、より高度なことを実現していく、そういう風に活用することが大事になっていくでしょう。
ITエンジニアが関わる仕事で、人でなければできないことを紹介します。
コミュニケーション
何かしら課題を解決したいとき、まず困っている人から何をどう解決したいのかをヒアリングして聞いて整理していく必要があります。
僕の経験でも、そういった困りごとを持っている人が正しく要求を出すことはほぼできません。
ああしたい、こうしたい、とは言うものの、それがそのままシステムへの要求になることはまれです。
多くの場合、そういった言葉の裏にある背景を聞いていかないと、本当の要求はつかめません。
ですので、そういった困りごとを整理して行く作業は、AIでは難しいと考えられます。
もちろん、今後そういう対話が可能なAIが登場してくる可能性は否定しませんが、要求を聞き出すテクニックのようなものは定型化しにくいので、難しいんじゃないかと思ってます。
人から要求を聞き出すことは人がやり、聞き出したいくつかの困りごとを分類、整理するような作業をAIに任せると有効ではないかと思います。
プロジェクトをうまく進めていくためには、常に要求を頭に置きながら問題の解決に当たることが欠かせません。
AIに何かを判断してもらうには、要求を文書化してそれを使って判断に利用してもらうことが必要になるでしょう。
ユーザー体験や運用の設計
ユーザー体験や運用設計のような、人が主に使うものに対してどういう仕様にするのがよいだろうか?ということは、人が考えた方が良いでしょう。
良いユーザー体験を考えるには、人がどういうシーンでどう感じるかということを考えながら設計しなければなりません。
その結果、そのサービスなどを使って楽しいと感じてもらえるようにすることが重要です。
その過程では、ストーリーマッピングを作ったりすることによって、ああでもないこうでもないと議論しながらようやく決まっていくことが多いです。
運用設計もすべては自動化できずに、人が対応しなければならないことも少なくないです。
本来なら全部自動化できればいいのですが、すべてを自動的に対応できるようにしたら、運用のための開発コストがバカになりません。
そういう問題もあって自動化できない部分を人が対応しなければならいことが多いのが現状です。
こういうものに対して、どこまで投資して、どこを人でやればいいか、というようなことをそのときの開発予算などを加味しながらバランス良く判断していく必要があり、AIでの判断が難しいところと思います。
プロジェクト管理やリーダーシップ
プロジェクト管理とかリーダーシップというのは、人間力のようなものが重要になってきますので、こういったものはAIには取って代われない分野と思います。
プロジェクトが平時で特に問題がないときに、取るべき対応のようなものはAIでも語れるでしょうけど、プロジェクトを進めていくときはそんなに定型的なパターンで進むことばかりではありません。
プロジェクトに関わるたくさんの人の感情が絡み合っていますので、正論だけ振りかざしていても残念ながらプロジェクトはうまく動かないものです。
時に「この人が言うんだからやろう」というような感情の部分が欠かせません。
大上段にあるべき論を振りかざしてくるような人には誰も付いていきたくないんです。
機械的な判断ではない、人の機微というものが大事になります。
複雑なものやカスタムソリューション
AIが得意とするものは、過去に事例があって対応方法が確立されているものになりますから、まだ未知のものについては対応が難しいと言えます。
その点で、複雑な問題をそれぞれ絡み合っているものを解きほぐしながら解決策を導いたり、顧客に独自の制約や過去のしがらみがある場合のカスタムソリューションなどは、人が考えていく必要があります。
このように考えてくると、いかにAIが発達しても人の代わりにはならない部分は存在します。
AIの力を生かしながら、どうやってより効率的に、より速く問題を解決していくか?
ITエンジニアの今後はその力が求められるでしょう。