💡 進捗報告は得てしてやった作業をしがちだ。しかし上司が知りたいことは、その結果仕事が順調なのか、遅れているのか、遅れているけれどリカバリー可能なのか、といったことだ。そのことが報告できているかが大事。

「やったこと」は進捗ではない

仕事に就いていれば、仕事の進捗報告は必ず求められることの一つです。

進捗報告を「作業の報告」と思っていないでしょうか?

作業の報告とは、「○○をやりました」というような報告です。その報告で問題ない仕事もあるでしょう。

ところが、納期のある仕事に携わっている場合、それは進捗報告ではありません。

進捗とは「ものごとの進み具合」をいうわけですので、進捗報告では「進み具合」がわかる必要があります。

「先週は○○のプログラミングをしました」と報告したとします。

上司は「それでうまく動いているの?」と聞きます。

それに対し「いや、実はうまく動いてなくて・・・」と回答すれば、「それはどこがどうなっているの?」「誰かに相談した?」というような質問を浴びてしまいます。

つまり上司が知りたいことは「やったこと」ではなく、「その結果、どういう状況なの?」ということなのです。

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上司は問題が起こってないか知りたい

仕事は誰もが順調に進むとは言えません。

それよりも、うまく進まないことの方が多いのが現実です。

上司から見れば経験が未熟な部下の仕事が何も問題なく進むわけがないと思っています。

だけど、なかなかそこがあぶり出されてこないので、上司はちょっとした部下の言葉をきっかけにあれこれ聞いてきます。

上司はとにかく仕事が順調に進んで欲しいと思っているのですが、問題の発覚が遅れることが多く、発覚が遅れれば遅れるほどその遅れの回復に時間がかかることも知っています。

だから少しでも早く問題をあぶり出したいと思っています。

それがいろいろな質問に現れてきます。

いろいろ質問されると部下は、「細かいなぁ」「うざいなぁ」「そんなに心配なら自分でやれば?」そんなことを思ったりします。

上司が少しでも早く問題に気づき軌道修正したいのは自分の組織で遅れを出したくない思いもありますが、仕事を順調に進めるための「親心」です。

親の心子知らずの状態はすごくあることです。

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遅れを隠す気持ちが全体を遅らせる

一方の部下は、仕事がうまくいっていない場合には、そのことを隠したいものです。

何とか「問題ない」ということで通り抜けたいという気持ちがあります。

自分では解決できていない問題があっても、つい「大丈夫です!自分で解決します!」と言ったりします。

何とか自分の手で解決したい、そういう思いでいるものです。

上司だって、自分の力で解決してほしいし、とても難しい問題でない場合には、本人の自主性に任せることもあります。

ところが「何とか自分で」という気持ちが問題解決を遅らせ、その遅れが問題を大きくしてしまうことがよくあります。

特に若手の時がそうです。

なぜなら、その解決がどれだけ大変かということの経験値がまだまだ少ないから、必要な時間やその解決に至るまでのプロセスを見通せていないことです。

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なるべく早く相談する

問題の多くは早く手を打てば解決することが多いです。

ところが、あとで大きな問題になるとは思えずに「何とかなるさ」と担当者が思っていると、チームとして手を打つのが遅くなります。

何か仕事がうまくいっていないなら、素直に上司にそう報告した方がいいです。

若いとかそうでないかに限らず、現状を話して上司の判断を仰ぐことです。

どういうことかといえば、「遅れている」「解決できていない」という問題の大きさを自分で判断しないということです。

担当者でしかない自分ではことの大きさを正しく判断できないことが多いです。

今の遅れがどれだけあとあと響いてくるのかわからないです。

ですから、上司が示した納期に間に合わないと思われるなら、なるべく早く上司に相談することです。

どのくらい早くとは、「なるはや」ということになります。

その問題の解決にどのくらい時間がかかるかわからない以上、どれだけ遅れても大丈夫かわかりません。

だから、問題が解決できないとわかったら、「なるはや」で相談しましょう。

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進捗報告で話すべきこと

「なるはや」で相談といってもついつい遅くなってしまうのが人情です。

今週は時間が取れなかったけど、来週時間が取れればすぐにリカバリーできる、などと思うものです。

ところが、来週には来週の仕事があり、またもや思ったように作業できないこともあります。

上にも書いたとおり自分で判断せず、上司に判断してもらうことが大事です。

そのためには「現状を適切に伝える」ことが必要です。

進捗報告が毎週行われているなら、そのときに「現状を適切に伝える」のです。

そうすることで「なるはや」の相談ができることになります。

「現状を適切に伝える」とは、大まかにいってこのようなことです。

  • 求められている計画(ゴールとなる納期)
  • 自分の担当分として何をいつまでにどうしようと思っている(ゴールまでの作業を細分化した自分の中の計画)
  • それに対してどこまでできていて、何ができていないか(進捗)

そもそも自分の中の計画が甘い、ということも往々にしてあります。

上司から見たら、「その計画じゃ、後工程で問題が起きる」と考えるかもしれませんし、「何かあったときにリカバリが効かない」という不安を感じるかもしれません。

ですので、進捗報告でしっかりと報告すれば、その報告は同時にとても良い相談の機会となるのです。

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適切な進捗報告が自分を救う

進捗報告して遅れがあると、上司から遅れを指摘されたり、大目玉を食らうこともあるでしょう。

ですが、それは自分が所属する課やグループの極めてローカルな問題で終わります。

上司だって、自分のチーム内の小さな問題で終われば幸せです。

ところが、遅れが取り戻せないような状態になると、部門長に相談したり、下手をすると別の部門に相談したりなど大きなことになりかねません。

ですので、いかに早く上司に相談し、小さな問題のうちに解消しておくか、それが大事になってきます。

その一番重要な相談が「進捗報告」です。

進捗報告が自分を救ってくれると思って、きちんと報告するようにしましょう。